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6月, 2018の投稿を表示しています

『お静かに、父が昼寝をしております ユダヤの民話』母袋夏生編訳、岩波少年文庫

2018/06/17 、『お静かに、父が昼寝をしております ユダヤの民話』母袋夏生編訳、岩波少年文庫  ()「ねえ、心正しい者たちが来世でうける報いを、ひとつでもいいから、いま、わたしたちにおあたえください、神さまにお願いをしてみたらどうでしょう?」//「なるほど、それはいい考えだ」ハニナにいい、さっそく神に祈った。//祈りおわらぬうちに、天からハニナに、黄金の腕のようなものがさしのべられた。(『タルムード』より)(「黄金のテーブルの脚」)pp.111- パラジャーノフの『ざくろの色』の、巨大な腕が出てくるシーンを思い出す。パラジャーノフはユダヤ系だったのだろうか。 The Color of Pomegranates : https://www.youtube.com/watch?v=zrZ_C4aS138

悪いけど、日本人じゃないの、日向ノエミア、柏書房

2018/05/25 、悪いけど、日本人じゃないの、日向ノエミア、柏書房  これは余談ですが、芸術は少し油断しているくらいの時が、一番ひらめくのですね。(東京都立大学の先輩が教えてくれたとおりでした)何かを得ようと必死で観ていた時には何もつかめなかったのだけれど、疲れてぼんやり観ていた時に、すうっと目の前の美が入り込んできたのです。 p.50 「どう? 叔母さんから直接(図書券を)もらったほうが嬉しかった?」 「そりゃそうだよ」と、息子は即答します。 「日本には『言葉にする前に形にしろ』っていうのがあるからね。話し合ってからプレゼントなんて、本末転倒もいいとこだよ」 p.89 「ほら見て。この日本人がいっていること、何を言っているのか分からないよね。でも日本語だから、みんな安心して聞いているんだよ。これが外国語だったら、あわてて辞書を引いて、完全に分かろうとするんだよね」 p.92 「お母さんたら『私は空港にお姉ちゃんを迎えに行かなければならない、行かなければならない( = Eu preciso ir )』って言うのよ。だから言ってあげたの。『行き〈たい〉のなら( = Se você quer ir )連れてってあげるけど、行か〈なければならない       〉ってことはないから』ってね。行き〈たい〉という気持ちをちゃんと表現して、その気持ちに対して責任を取ろうとしないかイライラするのよね」 // そこで私は、とっさに、「お母さんは、行き〈たい〉って言ったら、自分の気持ちを出しすぎて、わがままに見えるのがいやで、“行く必要性”にかこつけてしまったんじゃない?」と思わず母を弁護してしまいました。 pp.101-  そう、トゲのあることを言う人は、相手を傷つけると同時に、その人自身の弱さを現わしているわけですものね。()ですから、誤解に満ちた言葉を浴びても、直情的には反論したりせず、「聞かなかったこと」にする。そして以前と変わらず、お付き合いを続けていくのですね。 p.129 - 日系二世は、ブラジル人には日本的な面を非難され、日本人にはブラジル的な面を非難されることになります。そんな中、自分たちが受け入れている両文化の割合に比べると、各文化の人に受け入れてもらっている割合のほうが少ないかもしれない、と思うこと