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2018/05/15、仕掛学、松村真宏、東洋経済新聞社

2018/05/15 、仕掛学、松村真宏、東洋経済新聞社  仕掛けは見えているのに見ていない、聞こえているのに聞いていない生活空間の魅力に気づかせるための仕組みである。 p.11  ナッジはあまり考えずに選ばれるいつもの行動(デフォルトの選択肢)の設計方法、仕掛学はつい選びたくなるもう一つの行動(オルタナティブな選択肢)の設計方法ということができる。 p.54  仕掛けは装置によって問題が解決をはかるのではなく、人々の行動を変えることで問題解決をはかる。この発想の転換が仕掛けの肝であり、装置中心アプローチの視点を行動中心アプローチの視点かえることで新しいアプローチが見えてくる。 p.72  仕掛けは正論を阻害するものではなく、実現されない正論に対処するための代替的なアプローチである。 p.79  (仕掛けの実際が)これほど多様ならば、仕掛に通底する原理は存在しないように見えるが、仕掛けの背景にある「仕掛けの原理」は、実は驚くほど単純である。 p.83  日本にも古来から音を利用した仕掛けがある。うぐいすの鳴き声に似た音を出すうぐいす張りの廊下は、侵入者に気づくための仕掛けである。 pp.91-  (元は丸いトイレットペーパーを三角柱のようにした)この三角トイレットペーパーとただのトイレットペーパーの使用量を比較したところ、三角トイレットペーパーのほうが一人当たりの使用量が約 30% も少なかった。 p.95  自分のお店でパンを焼いていないパン屋さんのために、焼きたてのパンの匂いのする香水も売られている。 p.95  小さい子供は何でも口に入れたくなる時期があるが、のどにつまらせると危険なものもある。そのような誤飲を防ぐためにリカちゃん人形にはとても苦い味が塗布されており、子供が誤って苦に入れたときに吐き出すようになっている。 p.100  脳波から読み取った感情に応じてカチューシャについた猫の耳が動く necomimi ()。 p.102  国内外のさまざまなところで仕掛けの話をすると、仕掛けは文化に依存するのではないかという質問をよく受ける。  アナロジーには文化差が存在するが、著者がこれまでに収集した仕掛けの事例の中で明確に文化に依存していたのは [ 仕掛け 12] の

問題がモンダイなのだ、山本貴光、吉川浩満、ちくまプリマ―新書

2018/05/01 、問題がモンダイなのだ、山本貴光、吉川浩満、ちくまプリマ―新書 ヴォルテール『習俗論』 145 章によれば、この逸話(「コロンブスの卵」)は、もともとイタリアの建築家ブルネスレキについて書かれたもののようだ。 p.88   19 世紀の心理学者ウィリアム・ジェイムズは、「自由」の対義語は「不自由」ではなくて「自動化」だと考えた。 pp.121-  自動化された言動には自由が顔を出す余地は少ない、逆に言えば、自由とは選択の余地をもっていること、自動化にさからうことだと考えてもよいだろう。 p.123

「ひとりぼっち」こそが 最強の生存戦略である、名越康文、夜間飛行

2018/04/30 、「ひとりぼっち」こそが 最強の生存戦略である、名越康文、夜間飛行 ウチダ(内田樹先生)山脈に連なる人というのは知っていたが、ネットラジオで聞いた作者の声や話し方(比較的高い声の、追い立てられたような雰囲気)になじめないという印象があり、どうして本書を手にしたか覚えていない。内容は、メルマガ連載ものだったせいだろうか、読みやすさ(サクサク感)が目に付き、鼻白む程だった。が、読み進めるうちに、教えられることが多く、我が身を振り返って虚心になるきっかけになった。感謝。 ()子どもの才能を引き出す上で、親や教師がやるべきことがあります。それは、「社会に適応する方法を伝える」ということです。才能を引き出そうとあれこれ工夫するのではなく、一人の人間として、社会に適応する能力を育むこと。地味なようですが、これは人の才能を伸ばす、最良の支援のひとつです。 // 世の中には社会適応能力に欠けていたために、才能を十分に花開かせることができなかった「破滅型の天才」と呼ばれる人たちがたくさんいます。 p.68 (才能は)それ自体が、その人の人生を輝かせ、幸せをもたらしてくれるものだと、私は考えています。() // 「才能が開花する」というのは、それまでできなかったことができるようになり、見えなかったものが見えるようになる、ということです。それはとりもなおさず、「私はこういう人間である」という自己イメージを乗り越え、それまでと違った世界観を手にするということです。 pp.72-  多くの家族を見てきた経験から私が感じるのは、単に「家庭教育」や「しつけ」といった表面的なレベルだけでなく、無意識レベルで、家族は生活を共にする中で、互いに似ていく、ということです。 // それは会社でも、友人関係でも同じです。お互いがお互いに似ることによって、群れ全体は次第に、均質化するのです。 p,82  怒り、暗い感情に囚われた時に「私は怒っています、私は怒っています、私は怒っています」と三回唱える。たったそれだけのことで、驚くほど速やかに、怒りから手を放すことができるのです。(作者がスリランカ上座部のスマナサーラ長老から教わった方法) p.134 ()うっすらと鈍い怒りの感情に毒されたまま長い時間過ごしていると、小