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フィリップ・マーロウの教える生き方、レイモンド・チャンドラー、マーティン・アッシャー編、村上春樹訳


2018/04/29、フィリップ・マーロウの教える生き方、レイモンド・チャンドラー、マーティン・アッシャー編、村上春樹訳  * 4月中旬に読み終え、4/29に再読終了

CITIES 都」の項目がとりわけそうだと言えるが、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の「私」のことを思い出した。単に思い出したというのでなく、もっと心が揺さぶられるようなそんな感情が強く渦巻いた。「私」はまだ冷凍されたままなのだろうか。ピンクのスーツを着た太った娘は「もう十七じゃない」(50歳くらい?)。//もう少し読み手のあるものであったらよかった、原文英語を併記しておくべきだった、と思う。https://www.hayakawabooks.com/n/nbeb74eec4e17

BOOZE 酒
「アルコールは恋に似ている」と彼は言った。「最初のキスは魔法のようだ。二度目で心を通わせる。そして三度目は決まりごとになる。あとはただ相手の服を脱がせるだけだ」『ロング・グッドバイ』、p.28 

CITIES 都市 
 もしそんな声に耳を傾けていたら、私は生まれた町にそのまま留まり、金物店に勤め、店主の娘と結婚し、五人の子持ちになり、日曜日の朝には子供たちに新聞の漫画ページを読んでやっていたはずだ。子供たちが、言うことを聞かなかったら頭をひっぱたき、子供たちにどれくらいの小遣いを与えればいいか、ラジオやテレビのどんな番組をみせればいいか、そんなことで妻とがみがみ口論をしていたはずだ。金持ちにだってなれたかもしれない。小さな町の小金持ちに。寝室が八つあり、ガレージには車が二台入り、日曜日にはチキン料理を食べ、居間のテーブルには『リーダーズ・ダイジェスト』が置かれ、妻は鋳鉄のようながちがちのパーマをかけ、私の脳味噌はポートランド・セメントの袋みたいになっていただろう。そういう人生はお断りだ。私は薄汚くよこしまな大都会に生きる方を選ぶ。『ロング・グッドバイ』、p.38

COFFEE コーヒー
 私はキッチンに行ってコーヒーを作った。大量のコーヒーを。深く強く、火傷しそうなほど熱くて苦く、情けを知らず、心のねじくれたコーヒーを。それはくたびれた男の血液となる。『ロング・グッドバイ』、p.39

COPS 警官
「警官というのは普通の人間なの」と彼女はどうでもよさそうに言った。//「連中もそういう地点からスタートするという話を耳にしたことがある」『さよなら、愛しい人』、p.43

FOOD フード
 下に降りて、ドラッグストアのランチ・カウンターで二杯のコーヒーを飲み、メルト・チーズのサンドイッチを詰め込む時間があった。サンドイッチには代用ベーコンが二きれもぐり込んでいた。水を抜いたプールの底の泥に埋もれた魚の死骸よろしく。『リトル・シスター』、p.60

MORNING
 それから手が下ろされて素早く何かをいじり、着ていたローブの前が開かれた。その下はまったくの裸だった。『九月の暁』*のごとく遮るものもなかっただが、絵画にあるようなはにかみの色はなかった。『ロング・グッドバイ』 *シャバの絵画、p.82

PRIVATE DICKS 私立探偵
 「私に何をしてもらいたいのですが、ミスタ・キングズメリー」//「何が知りたいんだ? そもそもきみは探偵の仕事ならなんだってやっているんだろう。違うのか ?」//「なんだってというわけではありません。いちおう筋の通ったことだけをやっています」『水底の女』

 「お酒と名のつくものを口にするような人を私、探偵として雇いたくありません。煙草ですら許せないのです」//「オレンジの皮を剥くのはかまいませんか?」//電話の向こうで、はっと息を呑む声が聞こえた。//「少しは紳士らしい口の利き方をなさったら」と彼女は言った。//「大学社交クラブを試してごらんなさい」と私は言った。「紳士の残り在庫がまだ少しあると耳にしました。あなたにまわしてくれるかどうかまではわからないが」。そして電話を切った。『リトル・シスター』、pp.88-



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